2002.07.10中国新聞より
村井喜右衛門の足跡知ろう 出身地徳山で展示 |
香焼町から借りた人形を 説明する浜田さん(右) |
徳山市櫛ケ浜出身で、江戸時代に長崎でオランダの沈没船を引き揚げた村井喜右衛門を広く知ってもらおうと、地元の地域活性化グループ「華雲塾」は九日、市中央図書館で「村井喜右衛門展」を始めた。十四日まで、喜右衛門ゆかりの地の写真や紙芝居など約七十点を紹介する。
展示会は、塾のメンバーでアマチュア写真家の会社員浜田心仁さん(38)らが企画した。浜田さんは三月、喜右衛門が沈没船を引き揚げた長崎県香焼町を訪問。今も香焼町に住む喜右衛門の弟、亀次郎の子孫の案内で、沈没現場や長崎奉行所跡地などを回り、フィルム十本の写真を撮影した。
香焼町では今も、喜右衛門を題材にした人形劇や紙芝居が上演されている。浜田さんは、中学生が使用する人形八体を借り受けて、会場で紹介。長崎県立図書館が所蔵する沈没船の引き揚げを伝える絵は、市立図書館にある複製を掲示した。
喜右衛門は一七五二年生まれ。イワシ漁の指導で長崎に移った。一七九九年、三十四日かけて引き揚げに成功。その後は故郷に戻り、長州藩から苗字帯刀を許された。
地元でも功績を知ってもらおうと、塾が作成した紙芝居も披露している。浜田さんは「香焼町での喜右衛門の評価や知名度はすごい。徳山でも、ぜひ関心を持ってほしい」と期待している。