朝日新聞2002.06.15より
徳山市櫛ケ浜の地域活性化グループ「華雲塾」(青木義雄塾長)が、江戸時代にオランダの沈没船を引き揚げた郷土の偉人、村井喜右衛門の紙芝居を作った。全23枚で、喜右衛門の子孫である村井周作さん(73・櫛ケ浜中町)が絵を描いた。15日午後7時から、櫛ケ浜コミュニティーセンターで完成披露会を開く。
市立中央図書館の資料によると、喜右衛門は1752年、櫛ケ浜村で生まれた。漁師として活躍していたが、仕事で長崎に来た1798年、近くで沈没したエリザ号の引き揚げに協力。翌年、見事に成功し、その名を世界にとどろかせた。
長崎県香焼町に喜右衛門の功績をたたえる紙芝居があることを知った青木さん(38)らが、櫛ケ浜でも作ろうと計画。公民館で絵を教えている周作さんに協力を依頼した。「子どもに分かりやすい絵にしようと思った」(周作さん)と話す通り、彩り豊かで、ほのぼのとしたタッチの絵が並ぶ。物語は周作さんの妻、緑さん(65)と近所の三宅阿子さん(61)が考えた。
青木さんは「いい紙芝居ができて満足。まずは地域の人に喜右衛門の存在を知ってもらい、歴史的な評価を高めていきたい」と話した。紙芝居は10部作り、小学校などに寄贈する予定という。